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塗料の塗り方

塗装方法には、塗料を直接、被塗物に移行する直接法と、
霧にしていこうする噴霧法があります。

 

そして、それぞれには、長所、短所があり、
塗装の目的、使用する塗料の粘土、被塗物の形状や大きさが異なるため、
適材適所に選んで使うことが必要です。

 

塗付け能力

 

たとえば、カーテンフローコーターやロールコーターは
作業スピードは速いですが、刷毛塗りでは作業スピードは遅くなります。

 

しかし、カーテンフローコーターやロールコーターは、
被塗物の形状に制約を受け、平板状でなければ塗装ができません。

 

ですが、刷毛塗りでは、自由度がひろがります。

 

 

浸せきして塗る方法

 

浸せきして塗る方法にもいろいろな方法があります。

 

浸せきして塗るとは、大きく分けると、ディッピング方式と、
しごき塗りがあります。

 

・ディッピング方式: 塗料槽に被塗物をどっぷり浸けて、引き上げて乾燥させる。

 

粉体塗料へのディッピングには、粉体中に低圧で空気を送り込んで、
粉体塗料を流動させる方法になります。

 

この中に加熱した被塗物を浸せきさせると、
被塗物と接触した粉体が溶解し、流動して塗膜になります。

 

ディッピング方式は、水道バルブのような
熱容量の大きい鋳造品のようなものに適しています。

 

・しごき塗り: 塗料を押し込む方法です。

 

しごき塗りには、被塗物が移動する方法と、
塗料槽が移動する方法があります。

 

薄く何回も塗りたいときに、しごき塗りが適しています。

 

鉛筆や釣竿、ゴルフクラブのシャフト、電線など、
棒状のものを均一に塗るのに適していて、
余分な塗料をゴム版やシール材でしごき撮るので、
形状が一定であれば、一度に全体を均一に塗ることができ、
仕上がりもきれいになります。

 

ですが、塗料をしごき取るので、
塗付量が少なく、膜厚不足になるので、塗装回数は多く必要です。

 

たとえば、鉛筆を一本仕上げるときには、
目止め工程も含めると、10回のしごき塗りが必要です。

 

明石海峡大橋の鋼鉄製ハンガーロープの塗り替えにも、
しごき塗りが採用されています。

 

刷毛塗り

 

古くから用いられている塗装方法に「刷毛塗り」があります。

 

刷毛塗りによって、良い塗装をするためには、
刷毛の手入れ、行き届いた道具の管理は不可欠です。

 

腕の良い職人であればあるほど、
道具の管理を徹底していますね。

 

さて、刷毛塗りでは、塗料は塗り広げられることによってせん断力を受け、
隙間への入り込み、平坦化(レベリング)が良くなります。

 

・刷毛塗りの基本

 

(1) 塗料含ませ

 

刷毛の毛さきから毛たけの2/3まで塗料を含ませ、
容器の内側で毛先を叩いて塗料が垂れないようにします。

 

(2) 塗料の塗付け

 

水平面の場合は、左右に塗料を配り、垂直面では
刷毛を下から上へと一刷毛ごとに塗料を塗ります。

 

広い面積の場合は、80×80cmを一区切り区分として塗り、
長短がある場合は、長手の方向に配っていきます。

 

(3) 塗料をならす

 

配りの方向と直角に、塗付けの終わった刷毛で、
塗料の厚さを均一にします。

 

(4) 刷毛目をとおす(ムラきり)

 

塗料を均一な厚みにするため、また、刷毛目をそろえるために、
ムラきりを行います。

 

毛先を整ええた刷毛で、隅から墨まで平行に刷毛目を通します。

 

このムラきりをするために、「ムラ切り刷毛」という「平刷毛」を使用することもあります。

 

ローラ塗り

 

ローラ塗りは、刷毛塗りと工具が変るだけで、
塗り方の基本は同じです。

 

ただし、一つの動作で刷毛よりも幅広く塗ることができるので、
ならしの操作を節約することができます。

 

隅は、あらかじめ刷毛塗りしておいて、
ムラ切りは、ローラブラシを一方向に動かし、ローラ目を通して仕上げていきます。

 

 

ロールコーター

 

・ロールコーターの種類

 

ロールコーターの種類には、
「ナチュラル形」と「リバース形」の2つがあります。

 

・ロールコーターのしくみ

 

ロールコーターは、ピックアップロールで塗料を均一に巻き上げます。

 

すると、膜厚調整の役割を担うドクターロールに移送され、
コーティングロールに、均一な厚みの液膜状態を保ったまま移動します。

 

このコーティングロールから被塗物に転写されると言う仕組みです。

 

ナチュラル形は、コーティングロールと被塗物の移動方向が同じで、
リバース形はその逆になります。

 

カーテンフローコーター

 

カーテンフローコーターは、塗料をポンプでヘッドへ吸い上げて、
均一な隙間から押し流し、カーテンのような液膜を作るものです。

 

一定速度で動くコンベアに乗せた被塗物がカーテン液膜を通過すると、
塗料が塗られます。

 

作業効率がよく、合板やストレート板などの
平板の連続塗装にはもってこいの塗装方法です。

 

ただし、曲面を有する被塗物には塗れない、
薄く塗れないなどのデメリットがあります。

 

スプレー塗り

 

塗料を霧状にして塗装する方法をスプレー塗りと言いますが、
このスプレー塗りは、噴霧方法で「エア」、「エアレス」、
「静電スプレー方式」に分けられます。

 

「エア」、「エアレス」、「静電スプレー方式」という順に、
塗着効果は高いものになるという特徴があります。

 

・エアスプレー方式: 液体を高速な空気流と衝突させる装置

 

 液体である塗料とエアコンプレッサ(空気圧縮機)で供給される
加圧空気とが混合し、塗料に対する空気の容量比が大きいほど
霧の粒子が小さくなります。

 

 すると外観がとても良くなります。

 

・エアレススプレー方式: 高速の液体の流れを静止空気(大気)と衝突させる装置

 

 塗料自体に高圧力をかける方式のため、高粘度の塗料を吹き付けることが可能です。

 

 この高圧力とは、人の皮膚を貫通するほどですから、人に向けて、或いは誤って
自分に向けて噴射してはいけません。

 

 エアレススプレー方式は、エアスプレーと比べると、飛散する粒子が少なく、
厚膜塗装ができます。

 

・静電スプレー方式: 被塗物との間で、静電界を形成させる装置

 

 静電スプレー方式には、大きく分けると3つの方法があります。

 

 1 コロナビン方式

 

  エアスプレー方式、エアレススプレー方式の噴霧粒子を
 帯電させる方式です。

 

  噴霧粒子は、被塗物の裏側によく塗着し、塗着効率が高くなります。

 

 2 円盤回転方式

 

  塗料の霧化にエアを使用せず、霧化に遠心力を利用する方式です。

 

  エア霧化コロナビン方式よりも、さらに塗着効率が高くなり、
 仕上がりもきれいになります。

 

 3 粉体静電方式

 

  粉体塗料と空気との混合物を帯電させる方式です。

 

  液体塗料と同じ機構のコロナビン方式と、摩擦帯電のトリボ方式があります。

 

  実用的に普及しているのは、コロナビン方式で、外部電界の影響がなく、
 帯電粒子を必要な箇所に供給することができれば、
 凹部だけでなく、グリッド形状や複雑な形状のものにも
 キレイに塗着することができます。

 

液体をひも状に噴出させて、空気と衝突させて霧にする方法を、
噴霧と言いますが、この原理を利用したものには、
「霧吹き」や「スプレー缶」があります。

 

とはいってもさらに複雑な形状になると、
刷毛塗りでも困難になります。

 

そこで便利なのが、霧にして吹きつけるスプレー塗装です。

 

ただし、スプレー塗装では、噴霧粒子が飛散するので、
塗着効率(塗料使用料の何%が被塗物に付着したかを表す割合)が
悪くなります。

 

そして、近年は、静電塗装機が開発され、塗着効率は向上しています。

 

塗料の粘度

 

カーテンフローコーターやロールコーター、しごき塗り、
浸せき塗り(ディッピング)には、
高粘度の塗料が適用できます。

 

この場合の高粘度とは、水の1000〜5000倍程度です。

 

はけやローラー塗りでは、水の粘度の200倍くらいが限界で、
後年度になればなるほど作業効率が悪くなり、
はけ目が目だってしまい、仕上がりも悪くなります。

 

一般的なエアスプレー塗装では、
水の50倍粘度が限度です。

 

塗装とは、単に塗り広げるだけの操作ではありません。

 

出来上がった塗膜が被塗物に十分に付着し、
期待された機能を果たすように仕上げることが必要で、
そのためには、被塗面との間に隙間があったり、
塗膜に穴やはじきなどの欠点があってはならないのです。

 

このようなことを頭において、
被塗物の形状や作業性、塗料の粘度や乾燥性を考慮し、
適切な塗装方法を選択し、採用することが重要です。

 

電着塗装

 

電着塗装とは、電気化学をベースとした塗装方法です。

 

水の電気分解を理解すると、電着塗装の原理が分かるでしょう。

 

具体的には、被塗物を電着塗料に浸し、
被塗物を(-)、電着槽内の極板を(+)とし、
この間に直流電流を流して、被塗物に塗膜をつくル塗言うものです。

 

膜厚の均一なきれいな塗装ができ、強い防錆力を得ることができます。

 

つまり、電着塗装は、導電性のある被塗物に適応します。

 

そして、被塗物を金属で覆うのが電気めっきで、
被塗物を有機被膜で覆うの覆うのが電着塗装です。

 

また、電着塗料は、水性塗料です。

 

ですから、火災の危険や溶剤による害が殆どありません。

 

塗料の安全性が叫ばれている昨今、注目されている塗料の一つです。